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クローバー2号(7月3日)
クローバー 第2号
秋田県立視覚支援学校
ロービジョン支援センター
令和2年7月3日発行
第2号では、「盲導犬協会」「視覚障害者の防災グッズ」「視覚に障害がある人と接するときのポイント」「便利グッズ」について紹介します。
盲導犬協会について
「公益財団法人 盲導犬協会」をご存知ですか?
盲導犬協会は、目の見えない、見えにくい方々が社会参加をするための支援の一つを提供してくれる団体です。「日本盲導犬協会」や「東日本盲導犬協会」「北海道盲導犬協会」などが各地にあり、秋田県では雪道の訓練をした「北海道盲導犬協会」の犬を利用している人が多いです。
ここでは、「盲導犬協会」と「盲導犬」について御紹介します。
(1)盲導犬協会ってどんなところ?
本協会は①盲導犬の育成と②視覚障害者の社会参加を促すことを目的に活動しています。盲導犬が視覚障害者の目となり、目が不自由でも自由な外出を可能としてくれます。そのため、視覚障害者の社会参加や社会的自立へとつながります。
(2)盲導犬って何?
目の見えない、見えにくい方が安全に歩けるように、また行きたい時に行きたい場所へ出かけられるように、盲導犬は障害物を避けたり、段差や角を教えたり、安全に歩くためのお手伝いをしてくれます。法律でも認められ、目の不自由な人と一緒に電車やバスに乗ったりお店に入ったりすることができます。
(3)盲導犬を利用するには?
盲導犬の利用にあたっては以下の内容に該当する必要があります。
①見えない、見えにくいことで歩行が困難と感じている方
②「盲導犬と積極的に外出したい」という社会参加意欲がある方
③約4週間の共同訓練(盲導犬と歩く訓練)を受けられる方
④責任をもって盲導犬の適切な飼育と管理が出来る方
(4)ハーネスは盲導犬のシンボル!
盲導犬が体につけている白い胴輪をハーネスといいます。ハーネスを通して盲導犬の動きが盲導犬ユーザー(使用者)に伝わり、安全に歩くことができます。
盲導犬のここがポイント!
ハーネスを付けている盲導犬はお仕事中です。だから・・・、
1.さわらないこと。
2.話しかけないこと。
3.目を合わせないこと。
4.エサをあげないこと。
みなさん、町で見かけたらルールを守りましょう。よろしくお願いします。
(文責:水谷亨)
視覚障害者の防災グッズ
2011年に発生した東日本大震災では、障害者手帳を取得している人の死亡率が全住民の約2倍に上り、災害発生時の障害者支援という課題が表面化しました。
これを受けて行政が対策に乗り出しましたが、5年後に発生した熊本地震でも、必要な支援を受けることができず孤立する障害者がたくさん出ており、行政の支援の限界が浮き彫りになりました。
今後も、行政による災害発生時の障害者対策は日進月歩で進歩するとは思いますが、どこまで行っても「公助」には限界があるので、自助と共助の底上げをしていくことが大切です。
そこで、ここでは視覚障害者が備える防災グッズについて紹介します。なお、ここで紹介する防災グッズは、一般的な持ち出し用防災セットに付け加えておくことを想定しています。
○ 白杖
視覚障害の人の防災グッズとして欠かせないのが、歩行時の安全確保や必要な情報の収集に役立つ白杖です。災害発生時は道路の破損や水没などで平時より歩行が困難になることが多いので、平時には使用していなくても、視覚障害がある場合は備えておくことをおすすめします。
○ 眼鏡やルーペ
平時に眼鏡やルーペを使用している場合は、持ち出し用防災セットにも防災グッズとして備えておきましょう。普段使いのものが破損することもありますし、夜間や入浴時などに慌てて避難してかけ忘れる恐れもあるからです。
○ 時計
視覚障害の程度によっては、周囲の明るさで時間帯を把握できないことがあるので、時計も備えておきます。音声で時間を知らせたり、触って時間が分かったりする視覚障害者用の時計がおすすめです。
○ 点字盤、メモ用録音機
コミュニケーションツールとして、点字盤やメモ用の録音機も備えておきたいところです。特に、視覚障害と聴覚障害のある人の場合は、点字盤を必ず防災セットに入れておきましょう。
○ ラジオ
テレビやスマホなどから視覚情報を得られない場合は、聴覚情報が得られるラジオは必需品です。持ち出し用防災セットは容量が限られているので、ワイドFMや感度だけでなく、大きさや重さも考えて選ぶことが大切です。
○ 家族写真
視覚障害の人は、避難所などを歩き回って家族や知り合いを見つけるのが難しいものです。家族写真を入れておけば、災害発生時に周囲の人に渡して家族を探してもらうことができます。
※ その他、障害の種類に関わらず、全ての障害者が備えておきたい防災グッズとして、「持病の薬」「お薬手帳」「障害者手帳」「ヘルプカード」などがあります。
(© 2020 防災生活 All rights reservedより)
(文責:今井理)
視覚に障害がある人と接するときのポイント
本校職員から
生まれつき強度の弱視の私にとって、こんな時にこんな支援をしていただけると助かると思ったことを述べてみます.
病名、症状など:先天性白内障術後無水晶体症、眼振、内斜視、羞明、夜盲
視力:右 指数弁、左 0.01
見え方:1m前に人がいるのは分かるが顔の輪郭や特徴は判別できない。何度も接しているとその人の特徴を分析し、なんとなく分かる程度。
話しかける時→○○さん、こんにちは。△△です。(誰に対して誰が声をかけているのかが分かる)
信号待ちしている時→信号が青に変わりましたよ。(つぶやくように教えていただくだけでも助かる)
困っている様子の時→何かお困りですか。(誰に支援を求めたら良いのかさえ分からないでいる時もある)
危険だと思ったら→ためらわずに「危ない」「止まって」など、危険をお知らせください。(出来れば大きな声で!)
場所(物)を説明→「あっち」「これ」「そこ」など、指さしなどされても、どこを表しているのかが分かりません。(具体的に「左側の棚」「机の上のノート」など具体的に教えていただきたいです)
例えば・・・食事→「12時におかず」「8時にご飯」「4時に味噌汁」など、アナログ時計の文字盤にたとえて説明する。(クロックポジションといい、場所や方向の説明に便利です)
お互いにコミュニケーションをとりながら生活するのが一番大切だと考えます。
(文責:小松由佳)
便利グッズ紹介
みずいろクリップ
みずいろクリップ(株式会社Raise the Flag.)は、容器に注ぐ液体の量や物の色を音で知らせてくれる製品です。
形状は長さ約13cm、幅約2cm、重さ約38gのクリップ型です。
本体は鮮やかな水色で、上部約3cmは黒色です。
機能は2つあります。 ①色判別機能
本体上部にあるカラーセンサー部を色が知りたい対象物に押し当て、スイッチを入れることで、その対象物の色を音声にて読み上げてくれます。
現行モデルでの判別可能色数は、赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、水色、青、紺、紫、ピンク、茶色、白、灰色、黒の14色ですが、みずいろクリップは常にバージョンアップを繰り返すので、電池交換の度に判別できる色の数が大幅に増えているなど、最新の機能が利用できます。
②液体認知機能
クリップ部分を容器に挟み、本体の下部に液体が接触するとアラーム音が鳴ります。コップに飲み物を注ぐ時や、調理をする際、鍋に水を張ったりするのに便利な機能です。耐熱性もあるため、カップ麺などにお湯を注ぐ時にも利用できます。
アラーム音が鳴った後、自動的にタイマー機能が動作します。
最長6分間、1分毎に経過した分数を音声にてお知らせしてくれます。
洋服を選ぶとき、お茶を入れるとき、カップ麺を作るときなどに役立ちますよ。
(文責:小松由佳)
御相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
相談支援担当 長崎雪子・坂本由起子・渡部麗子・銭谷寿・佐藤友紀子
〒010-1409 秋田県秋田市南ケ丘一丁目1番1号
TEL 018-889-8571 FAX 018-889-8575
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