サイトの現在地

前のページへ戻る


ここから本文です

あいあい通信No.9

秋田県立視覚支援学校寄宿舎
あいあい通信第9号
令和2年3月19日発行


「同じ釜の飯を食べる」校長 鈴木和人
 昨年の4月、視覚支援学校に赴任して早々に寄宿舎を見学させてもらった。春休みであったこともあり、まだ舎生は居らずガランとしていた。清掃がゆきとどいており整理整頓が見事にさせている。でも生徒たちはどんな思いでここで暮らしているのだろうと悲観してしまった。
 現在、全国には67の視覚支援学校・盲学校があり、約2700人の児童生徒が学んでいる。この内、寄宿舎で生活をしているのは1000名ほどである。本校も108年の歴史と伝統のある秋田県で唯一の学校であるから、これまで多くの児童生徒が寄宿舎で成長し、社会に巣立っていったはずである。今年度は中学部2年の2名が新たに入舎し、6名が生活を共にしてきた。10月からは7名に増えて冬の生活を送ってきた。
 先日、卒業・進級を祝う会に参加させてもらった。案内状の作成、飾りつけや会場の準備、会の進行まで全員で分担して行ってくれた。当日は職員や非常勤の方々を入れて16名の参加者であった。テーブルを囲んでわいわいがやがや始まったとき、そう言えばこの雰囲気どこかで経験したことを思い出した。今から40年も前になるが高校を卒業し進学のために東京に出たが、苦労している親の姿を見て新聞配達をして奨学金をもらっていた。北は北海道から南は沖縄、全国から同じような志で集まった10名ほどの学生たちと4年間、新聞販売店の2階に住み込んで生活していた。その時の夕食の風景である。久しく思い出すこともなかったが、ふと夢中で夢を追いかけ、同じ釜の飯を食っていた当時の仲間のことを思い出した。よく食べ、よく飲み、よく議論したものだ。みんな今は還暦前後の年になり人生の成熟期に入っているはずである。今でも年賀状や電話のやり取りをする数人とは「退職したらまた、みんなで会おうな」と言っている。先輩であり、友であり、兄弟のような関係である。雨の日や風の日の配達、夜討ち朝駆けの集金は辛いなと思うこともあったが、同じ時代に同じ志を持った仲間がいて同じ釜の飯を食べていたことが支えになっていたと思う。
 話を祝う会のテーブルに戻すと、お父さんのようにみんなを守ってくれる高等部専攻科保健理療科2年の男子生徒、お母さんのように大きな愛情で包んでくれる高等部専攻科生活情報科修了生、一番上の優しいお姉さんの高等部専攻科保健理療科卒業生、控えめな、二番目のお姉さんの高等部専攻科保健理療科2年女子生徒、喧嘩するほど仲がよい双子の中学部2年の女子生徒2名、末っ子の元気な中学部1年の男子生徒、みんなの個性が集まって温かい一つの家族になっている。それぞれみんななくてはならない存在、そんな風に思えてならない。保健理療科の卒業生は3年間の寄宿舎生活を卒業しますが、みんなで過ごした生活は忘れませんといっていた。10年後20年後家族がそれぞれの夢を叶えて自立し、再会する日も来るでしょう。思い出を大切に過ごしていって欲しいものです。

 

「秋田駅周辺への外出」
 今年度は、8回の外出活動を行いました。1月30日(木)中学部3人が年度最後の外出活動を行いました。3人で外出計画を立て、場所を前回と違う駅周辺に決め、買い物をし夕食を食べてきました。外出当日、予定していたレストランが臨時休業ということが分かりましたが、急遽、夕食場所を変更し、計画どおりの活動をしてくる
ことができました。
 外出活動においては、熊の出没等もあり、予想以上に予算がかかってしまったことをお詫びし、ご協力とご理解に感謝いたします。たくさん経験できたことでたくさんの成果がありました。ありがとうございました。

 

「節分ティータイム」
 2月3日、今年は寄宿舎に青鬼がやってきました。貧乏神が取りつかないように豆は下から上に投げました。

 

「女子夕食会」
 2月26日(水)女子の5名で夕食会を行いました。事前に話し合いを重ね、メニューや食材、係分担を決めました。メニューは、豚しゃぶサラダ、たこ焼き、フルーツポンチになりました。たこ焼きの中身は、定番の「たこ」ですが、成人の方からおすすめの具材として、うずらの卵、ウインナー、チーズと聞き、当日を楽しみにしていました。
 当日は、全員で食材を切ったり、肉をゆでて盛り付けたりなど準備し、夕食会がスタートしました。たこ焼きを焼きながら、今年の寄宿舎生活を振り返り、楽しい時間を過ごすことができました。

 

「愛友会 卒業進級を祝う会」
 2月25日(火)卒業進級を祝う会が行われました。卒業を迎える二人の生徒を囲み、 食事や会話を楽しみ、和やかな雰囲気で、素敵な時間を過ごしました。


  

「卒業生からのメッセージ」
 この春卒業されるみなさんからメッセージをいただきました。

 高等部専攻科保健理療科 卒業
 寄宿舎での三年間は、調理のやり方や洗濯など生活面での自立といろいろな行事やイベントがあって本当に楽しい日々でした。みんなも舎の生活を楽しみながら過ごすことができると楽しいと思います。がんばってください。みなさん、先生方、楽しい日々を本当にありがとうございました。

 高等部専攻科生活情報科 卒業
 10月から寄宿舎にお世話になり、あっという間の5か月でした。悪天候の日や日没の早い時期にもかかわらず、安心して通学ができたことに感謝しております。ホールでは、先生や若い生徒の皆さんといろいろな話をすることができ楽しく、そして、いい刺激を頂きました。また、クリスマスティータイムでは、ビンゴゲームをしてプレゼント交換をする等、若い頃を思い出し賑やかに過ごさせて頂きました。毎日、明るくきめ細かに接してくださった先生、非常勤の皆様ありがとう
ございました。

 

「4月行事予定」
  5日(日) 開舎日
  6日(月) 新任式・始業式
  8日(水) 入学式
 10日(金) 閉舎日
 12日(日) 開舎日
 16日(木) 聴覚支援学校寄宿舎との合同歓迎会
 17日(金) 閉舎日
 19日(日) 開舎日
 24日(金) 閉舎日
 26日(日) 開舎日
 28日(火) 端午の節句ティータイム
 29日(水)  PTA総会 
        寄宿舎PTA   閉舎
 30日(木)  4/29の振替休業

 

「お知らせとお願い」
 来年度も今年度同様、開舎時刻は、14時30分、閉舎時刻は、16時50分となります。
 春季休業中に寄宿舎に来舎する場合は、事前に電話連絡をお願いします。
 春季休業中は健康面に配慮し、帰舎前は、ご自宅で検温を行い、37.5度以上の熱がある場合は、寄宿舎に連絡をいただくとともに、ご自宅での静養をお願いします。
 持ち帰った荷物については、洗濯や記名の確認をお願いします。
 今年度、愛友会からの記念品として、中学部生にはガーゼタオル、高等部専攻科生には手ぬぐいが贈られました。
 

 

本文はここまで

このページの先頭へ戻る