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クローバー3号(8月30日)

白杖の選び方について
白杖を購入する際に、お悩みをおもちの方はいませんか。
白杖で1~2歩先を確認することで、物体の存在や段差の落ち込みなどを知り、安全を確保することができます。そして、路面の変化等についての情報を得ることができます。また、自動車の運転手や歩行者など、周囲の人たちへの注意喚起ができます。白杖を有効に活用するためにも、「選び方」がとても重要です。
「白杖の構造」白杖は3つのパーツからできています。
①グリップ~手で握る部分のことで、握りやすく、しっかりと握れるものがよいです。
②シャフト~白杖の本体のことで、グラスファイバーやアルミニウム、カーボンなど材質は様々です。材質によって、耐久性や重量、価格に違いがあります。
③チップ(石突き)~路面に直接接する部分のことで、丈夫で滑りやすいことが重要です。摩耗するため必要に応じて新しいものと交換しなければなりません。通常、材質はナイロンやプラスチックで、形状は用途に応じて様々なタイプのものがあります。
「白杖の種類」その形状で大きく2つの種類があり、それぞれの特徴があります。
①直杖~継ぎ目のない1本杖で、耐久性、情報の伝達性に非常に優れています。しかし、電車やバスに乗ったとき、あるいはレストラン等に入ったときなどに、置き場所に困る場合があります。
②折りたたみ杖~使わないときには小さく折りたたんでバッグの中に入れておけるため、持ち運びにはとても便利です。しかし、強い力が加わると、つなぎ目の部分が折れる場合があります。
「白杖の選び方」
①長さ~みぞおちのすぐ上の骨(剣状突起)より少し上、または、わきの下より少し短めといわれています。これは目安であり、あくまでも基準です。歩く速さや歩幅、腕の長さ等によって適切な長さは違ってきます。
②チップ~体力や用途等に応じて、選択しましょう。消耗品なので、予備を購入しておくことをおすすめします。
以上のことから白杖は、用途や自身の生活スタイル、希望等、様々な条件をもとに選定する必要があります。白杖を購入する際は、販売店や歩行訓練士等専門的な知識がある方に相談しましょう。お悩みの方は、本校、ロービジョン支援センターに御相談ください。(文責:今井理)
※参考文献全国盲学校長会編著(2016)『見えない・見えにくい子供のための歩行指導Q&A』青木隆一監修、ジアース教育新社

 

第15回触れ合おう!学ぼう!サマースクールから第15回触れ合おう!学ぼう!サマースクールから
8月3日に秋田県内の見えない、見えにくい小学生、中学生と保護者の皆さんを対象に、サマースクールが行われました。サマースクールは、体験的な活動を通して児童生徒が交流することを目的に視覚支援学校で毎年実施しています。また、保護者の方は見えない、見えにくい人のためのタブレットの活用方法についての学習をしました。
【小学生の体験の様子】
午前中は調理活動でスイーツ作り「一人でチャレンジ!おやつ作り」に取り組みました。使用する必要な物を準備し、カップや秤による計量をしながら取り組みました。準備から片付けまでじっくり一人で行いました。
午後は新聞紙に埋まる体験をした後、それぞれ好きなものを作りました。動物などの特徴をそれぞれの子どもたちの感性の赴くままによく表現されていました。
【中学生の体験の様子】
秋田大学にある鉱業博物館の見学と、秋田駅周辺でのミッションに取り組みました。
鉱業博物館では、鉱物に触る、においをかぐ、ブラックライトを当てたときの変化を観察するなど、理科で学習した内容を深めることができました。説明文を単眼鏡で確認する様子が見られ、普段から単眼鏡をよく使用している成果が伺われました。生徒から鉄の融点や沸点についての温度の質問があり、鉄は溶けさらに気体にまでなることなど普段不思議に思っていることの解決にも役立っていました。また秋田の豊かな鉱物資源、鉱石はもちろん石油についても知ることができました。今でも秋田市内では身近なところに石油の井戸があるので、子どもたちと一緒に見学してはいかがでしょうか。
【保護者学習会の様子】
タブレット端末の使い方について行われ、「iPad」のワークショップが実施されました。iPad活用の心構え【①ルーペや単眼鏡の代わりではない。②活用するには知識と練習が必要。③活用場面を明確にしておく必要がある。】を押さえてから始めました。活用にあたっては使い方を保護者が十分に把握した上で、お子さんと一緒に使い方を確認してから使用させ、またただ買い与えるだけでなく、使用目的をしっかり決めてから使用させることが大切であると伝えました。iPad活用のワークショップでは、アクセシビリティでより見やすくする機能の活用方法や音声読み上げ機能などの設定の仕方などを体験しました。お子さんの見え方により様々に設定でき、活用方法も個人個人で異なります。お子さんにとって、どのような環境が望ましいのか考える機会になったのではないかと思います。(文責:田中由春)


「めのがっこうであそぼうちびっこサマースクール2019」
8月7日(水)、0~5歳児と保護者、関係者を対象にちびっこサマースクールを行いました。今年は幼児と保護者、関係者合わせて13名の参加者がありました。宮城教育大学名誉教授の猪平眞理先生をお迎えして、保護者との個人面談を実施しました。今年は「ペットボトルのおもちゃを作って遊ぼう」と題して、水遊びのおもちゃを製作し、そのおもちゃを使った水遊びを楽しみました。おもちゃづくりでは、「魔法の水」を、ロートを使ってペットボトルに注ぎました。「魔法の水」を注ぐ際には、コップに入れる水の量を調節したり、少しずつ水を注いでは印を確かめたりするなど、印ぴったりに水を注ぐ方法を考え、工夫する姿が見られました。最後はシールやテープでペットボトルを思い思いに飾り、オリジナルのおもちゃが完成!
プールでは、おもちゃを沈ませて浮き上がる様子を楽しんだり、立ちあがって水面に落としたり、水の動きに合わせて動いていくおもちゃを追いかけたりするなどして楽しみました。
今年は小さなお友達もちびっこサマースクールに参加しくれました。水の音を聞いたり、足をぬるま湯につけたりして水遊びを楽しみました。
保護者学習会では、サテライト教室で支援を行っている職員からの『見えにくい子どもの就学について』と『見えにくい子どもとのかかわり~言葉で伝えることの大切さ~』という2つのテーマで話題提供があり、今後の就学先についての情報と、就学して自分で学習していく力を付けていくために、幼児期に大事にしたい日々の言葉でのやりとりの大切さについて理解を深める機会とすることができました。
猪平先生による個別相談では、保護者の子育ての悩みや疑問などに一つ一つ丁寧に答えていただきました。短い時間ではありましたが、猪平先生と個別にお話できる貴重な機会を得られたことに、保護者は大きな満足感を得られたようでした。昼食も保護者と猪平先生と一緒に取り、和やかに情報交換をしながら共に時間を過ごすことができました。子ども同士の交流や保護者同士のつながりも強まり、大きな成果が得られた夏の一日となりました。(文責:渡部麗子、神美穂子)

視覚障害者と接する時のポイント
視覚障害者は、大きく分けると、「見えない方」(盲)と「見えにくい方」(弱視)がいます。見え方によって接し方もそれぞれ違いますので、何が必要か率直に聞くことが大切です。困っているように見えたときは、「何かお手伝いをしましょうか」など、まず声をかけましょう。
次に接し方のポイントを挙げますので参考にしてください。
「誘導するとき(手引きをするとき)」
視覚障害者に手引き者の肘を軽く持ってもらうか、肩に手を置いてもらうかして、半歩前を歩きます。階段やエレベーターでは、上がるか下がるかを伝えましょう。椅子に案内するときは、手を椅子の背もたれに触れるようにしましょう。
「いっしょにお茶や食事を楽しむとき」
最初にテーブルに並べられた食器などの位置と内容を説明します。その際、テーブル上の位置関係を時計の文字盤に見立てて説明すると分かりやすいです。例えば右のイラストは「2時の方向におひたしがあり、5時の方向に味噌汁が置いてあります。」
「場所や物の位置を伝えるとき」
左、右、前、後の方向や、あと何歩、何メートルの距離などイメージしやすいように伝えることが大事です。「ここ」「そこ」「もう少し」などの抽象的な言葉を使わずに、具体的な言葉を使いましょう。視覚障害者にとって明確に伝えることは場所や物の位置だけでなく、様々な場面で理解しやすくなります。
「こんな動きをしていたらあなたに助けを求めています。」
頭上の50cmくらいの所で白杖を掲げていると周囲に助けを求めているサインになります。声をかけてあげてください。外出の際に道に迷ったときなどに使われます。(文責:水谷亨)

 

御相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
相談支援担当長崎雪子・渡部麗子・銭谷寿・佐藤友紀子
〒010-1407秋田県秋田市南ケ丘一丁目1番1号
TEL018-889-8571FAX018-889-8575


 

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