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クローバー2号(7月5日)

「一般社団法人 秋田県視覚障害者福祉協会」(以下、視障協と記す)をご存知ですか?
視障協は、目の見えない、見えにくい方々のための団体です。
視障協で行っている主な活動を御紹介します。
(1)視覚障害者の啓発
視覚障害者の理解や啓発を促すために以下のような活動を行っています。
・ 文化祭
・ レクリエーション
・ 視覚障害機器や盲導犬の講習会
・ 関連機関(社会福祉協議会、ボランティア団体など)との情報交換会
・ 小・中学校を対象にした講義
(2)スポーツの推進
視覚障害者スポーツの支援を行っています。サウンドテーブルテニス、ブラインドテニスは、定期的に練習日を設けており、レベルアップを図るために、講師を招いて講習会を開いています。ストレス解消や、コミュニケーションの場として活用できます。各大会の開催・運営なども行っています。
(3)視覚障害者の情報提供
毎月「秋視協広報」を発行して、福祉や生活に関わる情報をお伝えしています。
地域住民の協力の下、道路、建物、交通機関など身の回りの生活に直結した情報を集め提供しています。この情報が視覚障害者にとって便利なだけではなく、安全の確保にもつながります。
(4)三療※1の推進
毎年、三療の資質や技術の向上を目的に、専門の大学の教授や現場で活躍しておられる理療師を講師にお招きして、三療講習会を行っています。また、普及活動として県内各地域に出向いて、施術を行っています。
※1 三療とは、あん摩マッサージ指圧、鍼、灸のことです。
この他にも様々な活動を行っています。詳しく知りたい方はホームページをご覧ください。
 
会員について本会の会員は、次のとりです。
(1)正会員:視覚障害者であって、本会の目的に賛同して入会した者
(2)賛助会員:視覚障害者以外のものであって、本会の目的に賛同して入会した者
会員の申し込みやお問い合わせはこちらへ
〒010-0922 秋田市旭北栄町1-5 秋田県社会福祉会館内
TEL  018-864-2783
メール akisikyou@mub.biglobe.ne.jp
 
中途視覚障害の原因 気になる傾向
2004年視覚障害の原因疾患・順位
1 緑内障(1989年は3位)
2 糖尿病網膜症
3 網膜色素変性症
4 加齢黄斑変性
(1989年はランク外)
5 高度近視
(2005年厚労省調べ)
 人間は情報の8割以上を視覚から得ていると言われています。人生の中途で視覚障害になると、読み書きや調理などができなくなったり、外出が難しくなったりします。“以前はできていた”だけに、ストレスも大きく、生きがいを失いかねません。障害の原因疾患の中で、障害を予防する上で気になっていることを2つお話したいと思います。
(1)緑内障
緑内障は、視野に異常をきたし、進行すると視力も傷害される病気です。40歳以上の日本人の20人に1人が罹患している身近な病気で、その割合は年齢とともに増加していきます。しかもそのうち9割が未治療という調査があります。
緑内障で視覚障害になってしまう方が多い理由として、①初期の自覚症状が乏しく、気づいた時にはかなり進行してしまっている、ということと、②治療は進行をゆっくりにするためのものであり、改善することはできない、ということが挙げられます。
長寿社会において生涯にわたって視覚を保つためには、早く治療を始めなければなりません。自覚症状のない緑内障を早く見つけるには定期的な検診(眼底検査)が重要になります。しかし、平成20年に公的健診の主たる目的がメタボ対策にシフトしたことに伴い、眼に関する項目がほとんどなくなり、緑内障の早期発見が難しくなることが危惧されています。40歳以上で、人間ドック等で眼底検査を受ける機会のない方は、眼科で定期検査を受けることをお勧めします。
(2)加齢黄斑変性
加齢黄斑変性は、見ようとするところが見えにくくなり、文字や人の顔の判別が困難になる網膜の病気です。欧米では成人の失明原因の第1位の病気で、日本でも近年著しく増加し、視覚障害の原因の第4位となっています。
原因として、喫煙や網膜の酸化ストレスの関与が知られています。酸化ストレスの要因には、
①抗酸化ビタミンの不足、②黄斑色素(ルテイン)の不足、③紫外線の暴露、④ブルーライトの暴露、が挙げられます。①②は緑黄色野菜や魚中心の食事を心がけることで抑制できます。③はサングラス等によるUVカットで抑制できます。心配なのは④です。自然光の中にも含まれ、必要な光でもあるブルーライトですが、LEDの普及に伴って爆発的に暴露機会が増えています。ブルーライトの放出が最も多い機器はスマートフォン、続いてゲーム機、パソコンです。
近年急増中の加齢黄斑変性ですが、幼少期からスマホやゲーム機に親しんでいる若者は、“加齢”を待たずに発症する時代が来るのではないかと心配しています。スマホの弊害は多方面から指摘されていますが、視覚障害の原因にもなり得るので気をつけましょう。
 
平成31年度 白杖歩行・生活サポート講習会から
6月8日(土)に、受講者9名を含む関係者約40名が参加した講習会を山王ライオンズクラブと共催で実施しました。視覚に障害のある方と御家族を対象に、積極的に社会生活を送れるよう支援すること、及び健常者の方を対象に視覚障害についての理解を促すことが目的です。参加者からは、たくさんのことを学べて良かったという感想が聞かれました。今号では、講習会の中で紹介された「白杖歩行」「ものの位置の説明」「簡単調理」のポイントを紹介します。
<白杖歩行のポイント>
○タッチテクニックとスライド法の違いを知る。
① タッチテクニック…白杖歩行の基本となる。肩幅くらいに白杖を左右に振りリズムよく直進歩行する。スムーズに歩けるが、杖が地面から離れているときに障害物を察知できないという短所がある。
② スライド法…白杖の石突きを常時路面に触れさせながら左右に振る。側溝や段差などの障害物も察知できるが、路面の小さな変化も探知してしまい、能率性が低下する場合があるという短所がある。
○点字ブロックの伝い歩きのポイント。
① 必ず点字ブロックに白杖が触れるようにする。
② 身体と点字ブロックの距離が一定になるようにする。
③ 点字ブロックに対する立ち位置では、次に曲がる方向と同じ位置とする。
(右折するとすれば、点字ブロックの右側を歩く。)
<ものの位置の説明>
「クロックポジション」で説明する…時計の文字盤を利用した説明で、置いてある食器や食べ物の位置の説明が容易になる。例:「箸は6時の方向に、味噌汁は4時の方向にあります」など。
<簡単調理>
今回紹介したメニュー ・豆もやしナムル ・塩ネギ豚うどん
一見難しそうに思えるメニューですが、①包丁を使用しない ②電子レンジのみの使用
③計量が少ない ④調理工程が少ない ⑤洗い物が少ない 安全・簡単・時短の調理です。
本校ホームページの寄宿舎欄にレシピが載っていますので、是非お試し下さい。

書籍の紹介
『視覚障害教育ブックレット』
ジアース教育新社 952円(税別)
学期に1回、年3回発行されるこの冊子は、筑波大学附属視覚特別支援学校が中心となって編集されています。各教科や自立活動に関する内容、視覚障害教育に関する研究レポート、各種研究会の報告などで構成されています。教科については、現役の教員が具体的な実践内容を紹介しており、視覚障害教育に携わる教員には大変参考になります。在庫があれば、バックナンバーの購入も可能です。
 
『視覚障害乳幼児の子育てハンドブック~視力や見る力の弱い子ども達に共通する大切な取り組み~』
 杉山利恵子・森栄子著  1,200円(税別)
著者は、元千葉県立千葉盲学校の教員で、特に視覚障害児の早期教育に関わっていた先生方です。視覚障害乳幼児の子育てQ&Aの他、肢体不自由などの障害を併せもつ子どもの視覚活用、視力は良くても見る力が弱い子どもへの支援についても書かれています。Q&Aでは、保護者が疑問に思いがちな子どもの動きについての分かりやすい説明と具体的なアドバイスが書かれています。乳幼児だけでなく、学齢期の児童生徒に関わる方や、発達障害・肢体不自由児教育に関わる方にも参考になる本です。
お問い合わせと注文は 043-231-3031 杉山さん
または Email:morimorijump@yahoo.co.jpまで
 
御相談のお問い合わせは
秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへ御連絡ください。
相談支援担当  長崎雪子・渡部麗子・銭谷寿・佐藤友紀子
 
本文はここまで

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