人工内耳とは
   聞こえの神経(「聴神経」や「蝸牛神経」などと呼びます)を音の代わりに電気で刺
  激し、脳で音やことばの感覚を得ることができる装置です。
   機器は体外部分と体内部分とに分かれます。
  体内部分は「インプラント」と呼ばれ、受信用のアンテナとこれに続く発信器、そして
  この先にある細い蝸牛内電極部からなります。重さは約10グラムです。
   一方、体外部分はマイクロフォン、スピーチプロセッサー(音声処理装置)、音情報
  を体内に送る送信コイルからなります。送信コイルには磁石がついており、頭皮を介して
  インプラントと密に接しています。
耳かけ型のスピーチプロセッサ装用例


参考資料
「難聴児童生徒への聞こえの支援〜補聴器・人工内耳を使っている児童のために」財団法人 日本学校保健会「Coclear Implant〜人工内耳について」http://pent.med.kyushu-u.ac.jp/naiji.html


 <人工内耳の適応基準(日本耳鼻咽喉科学会)より抜粋>
 ・小児の場合、原則的に年齢は1歳6カ月以上になっています。ただし特殊な場合には1歳
  6カ月未満での手術を要することもあります。
 ・様々な聴力検査で両側とも平均聴力レベルが90デシベル以上の高度難聴者で、かつ最
  適な補聴器の装用下での療育を少なくとも6カ月以上行っても、補聴器のみではことば
  の獲得が不十分と予想される場合(補聴レベルで55dB程度以上が目安)が適応と考え
  られています。
 
 〜
人工内耳では、平均40〜50dBの装用閾値が得られるといわれています。しかし、
  手術をしてもすぐにことばが分かるようになるものではありません。
  
人工内耳を用いて数年にわたる訓練を通して、初めてことばが分かるようになるもので
  す。

   人工内耳の調整(マッピング)に際して、小児の場合は自分で音感を訴えることが困難
  なことも多く、専門の言語聴覚士によるきめ細かい訓練が必要です。
  病院での指導のみで全てをカバーできるものではなく、難聴幼児通園施設や聾学校、
  保育所、幼稚園、在籍する学校等との連携が重要です。
   人工内耳は補聴器と同様に騒音下での聞き取りが悪く、大勢の人のなかでの会話や会
  議などは苦手
で、音楽の聞き取りも困難なことが多いようです。
(参考:日本耳鼻咽喉科学会HP http://www.jibika.or.jp/mimiyori/jinkounaiji.html)
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人工内耳について